膀胱がんとは
膀胱の粘膜にできる悪性腫瘍です。男性に多く、男女比は3:1程度です。進展形式により「表在性がん」と「筋層浸潤がん」に分類されます。膀胱内側の粘膜に留まり筋肉層まで達していないものは「表在性がん」といい、内視鏡手術で切除した後に再発を予防する処置を施します。一方、「筋層浸潤がん」は膀胱の筋層までがんが進行している状態です。転移のリスクが高まるため、膀胱を摘出した後、尿路再建を行います。
膀胱がんの原因・危険因子
喫煙によるリスクが非常に高く、非喫煙者の約3倍と言われています。この他、アニリン系染料、ゴム、アルミニウムなどの化学物質も危険因子となります。また、慢性膀胱炎や長期カテーテル留置による刺激、他の疾患に対する放射線治療、一部の薬剤(シクロホスファミドなど)が原因となることもあります。
自覚症状
膀胱癌には痛みを伴わない無痛性肉眼的血尿や頻尿、排尿痛、残尿感などの自覚症状が見られます。進行すると下腹部痛、尿路閉塞による尿閉、転移による症状(腰痛など)が現れます。
診断方法
- 尿検査
- 画像検査 超音波検査、CT / MRI:腫瘍の広がり、転移検索
- 膀胱鏡検査
治療
表在性膀胱癌か筋層浸潤性膀胱癌かによって治療方針が異なります。
表在性膀胱癌の場合、「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT)」でがんを切除した後、術後再発を予防するために「膀胱内注入療法(抗がん剤、BCG)」を行います。
筋層浸潤性膀胱癌の場合は膀胱全摘除術+尿路再建(回腸導管、代用膀胱など)が一般的です(提携病院を含む他院に紹介)。提携病院は北海道でもトップクラスの症例数を有しています。また、一部の症例では放射線+化学療法(膀胱温存療法)が選択されることもあります。
筋層湿潤性膀胱癌が進行して肝臓・肺・骨・リンパ節などにがん細胞が広がった状態を転移性膀胱癌といい、この場合は全身化学療法として抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬(病院によってはできないところもあるため、実施しているかを確認の上紹介します。提携病院では治療可能)を使用した治療が行われます。
治療にかかる期間
- TUR-BT:入院 3〜7日程度
- 膀胱全摘+尿路再建:入院 2〜3週間程度、社会復帰は1〜2か月後
- 化学療法・免疫療法:外来通院で数か月以上
費用(日本・保険診療 3割負担の目安)
- 膀胱鏡検査:3,000〜6,000円
- TUR-BT:200,000〜300,000円程度
- 膀胱全摘+尿路再建:400,000〜500,000円程度
- 膀胱内注入療法(BCG):1回あたり3,000〜5,000円程度
- 化学療法:1コースあたり数十万円(高額療養費制度利用可)
- 免疫療法:1回あたり数十万円(自己負担は高額療養費制度により調整)